第1901話:ヒーリー・アワーム〜右の耳〜
「右の耳に水が入った」
「だからといって左の耳から水が出てくるのはおかしくない?」
「何を言っているんだ、右の耳と左の耳は中で繋がっているんだぞ?」
「君たちの体はそうなっているのか……ギャグアニメの住人みたいだな……」
「普通だってば」
「ちょっと見せてみろ」
右耳と左の耳が繋がっていると言うならば、右耳を覗けば左の耳の先が見えるはず。
「やぁ」
「!?!!?!?!?」
「どうした?」
「どうしたじゃない! お前の耳の中に誰かいるぞ!」
覗き込んだら目が合って、挨拶をされた。
「はぁ〜? 耳の中に誰かいるわけないだろ」
どうやら彼の中でも常識ではないらしい。
「左の耳も見せろ」
繋がっているというならば、こちらからは後ろになるはずだ。
「どうしたんだい?」
「うおわー!!!!!」
左耳にも、誰かが、いる!
「絶対おかしいって! お前一回病院で見てもらえよ!」
そこで一つ気づく。
中に誰かいるのに水が入って反対から流れ出るってどういうことだ……?
つまり、えーと、あの?
「うわー! なにするんだ、やめろ!!!」
「はっ、」
気がついたら、彼の耳に水を流し込んでいた。
どぱどぱと右の耳から水を流し込むと左の耳からどぺどぺと流れ出てくる。
無意識に彼の耳の中にいる何かに対して水攻めをしていた。
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