第1890話:パル・ハラバ~不人気~
「それを選んだ理由は、つまり君の言うことを総合的に解釈すると、えーと信じがたい話だしできれば聞き間違いであってほしいんだが、そのー、ちょっと私の方から確認するのはなんともおかしな話だから、ちょっとやっぱり解釈違いの可能性もね、あるから、ちょっともう一回聞いてもいいかなぁ?
「ええ、いいすよ。私がこの商品を選んだ理由はですね、誤解の無いよう端的に短く簡潔に言わせていただきますと、私がこの商品を愛用している理由はですね」
「理由は……」
「この商品が不人気商品だからです」
「ううーん! やっぱり聞き間違いではなかったし解釈違いでもなかったようだ。不人気だからかぁ! さっきは割と言葉で多く修飾されていたからもしかしたら違うかもしれないなぁ~!もしかしたら違うかもしれないな~!と思って聞いてみたんだが、まさか本当にそういう意味で言っていたとは……わかっているのかい? これは愛用者に対して行っているアンケートなんだよ? 愛用者らしいためになる商品をほめたたえるような意見を言ってくれないとさぁ」
「ぶっちゃけますね。まぁ使えない意見しか言わないということはもうわかってくれたと思うのでちゃんと話聞いてみます? 私の理由とか」
「まぁもしかしたら使えるかもしれないし、聞くだけ聞いてみようか」
「他の人が使ってない商品を使ってるのってなんか特別感じゃないですか。別に使用感は悪くないから、誰かが口コミで広めたら広まりそうなぐらいには出来がいいし」
「なら君が広めてくれても……」
「いや、私はそういうことはしたくないの。人が使い始めたら私は使うのやめるし」
「そんな……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます