第1883話:リア・レバニ~虚無を捕まえる~
「今回の依頼の内容を説明します」
「はいはい、詳細は……」
「 を捕まえてきてください」
「なんて? ちょっと聞こえなかった」
「 です」
「? なんて?」
全然聞き取れない。というか、その名前が入っているらしい部分にあるらしい音がまったく聞き取れない。
「場所は です。目的地まで直通のゲートを用意してありますので、あちらからどうぞ。ターゲットの照合はこちらの端末を使用してください」
「場所もまったく聞き取れない」
地名を言うように言われたってことは地名がないのではなく、私に地名が認識できなかったということだろうが、何かがおかしいような気がする。
場所も何もわからなったが、とりあえず直通のゲートがあるらしい場所へ向かった。
ゲートを抜けて目的の場所に到着したが、そこはもう何ともよくわからない不思議な場所で、何も見当たらない。
「捕まえるのはどいつだ?」
照合用の端末を用いて対象を探す。
そうすると、何もない空間にターゲットであるという判定が出た。
見えない何かがいるのかと、そのあたりを手探りで触ってみる。
奇妙な手ごたえ、なにも触っていないし重量感もないが、何かがそこにあるような不思議な感覚。
とりあえずその抱えた物をかごに入れて、帰ることにした。
受付にそのかごを持っていくと、先ほど依頼を伝えてくれた職員とはベつの人が対応してくれて
「すみません、さっきの依頼なんですけど、データが壊れていたらしくて存在しないものが参照されていまして……」
と言ってきた。
じゃあ、このかごの中に入っている何かは何で、先ほどいた場所は何だったのか。
そして私はこれをどうしたらいいのだろうか。
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