「なぁ、見てくれよこれ」

　なんだなんだと見に行くとその手には二本のケーブル。

「このケーブル、不思議なことに繋がらないんだ」

　見せられたケーブルのコネクタは同型のオスメスコネクタに見える。

　それが繋がらないというのは、同じようなコネクタに見えて違う種類のコネクタということだろうか。

「見てなよ」そう言って両手にコネクタを持って差し込もうとするが、それは刺さらない。

　見た感じはただ滑っているように見えて、自分でやってみるとどうにもうまい具合に刺さらないのだ。

「見た目が同じで違うケーブルってことなのか？」

「いや、たぶんそれも違う。見てなよ」

　他のケーブル、同型のコネクタのオスをメスに刺すと、刺さる。

　もう一つの方刺さらなかった方のメスを別のオスに刺すと、刺さる。

　繋がらないのと別のケーブル同士も、刺さる。

「ならこのケーブルとケーブルも刺さらないとおかしいだろ！？」

　叫んで地面にケーブルを叩きつけた。

　そりゃあ、不可解すぎるからな。

　他には繋がるのに、この組み合わせだけ繋がらないって言うのは、本当に不可解にもほどがある。

「ケーブル同士の相性、ってやつなのかなぁ」

「そういうことだと思うんだけど、今はここが繋がってくれないと困るんだよなぁ」

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