第1800話:フリス・ハービィ~感覚変化~
「ひょんなことから別人と体が入れ替わったんだ」
「いきなり知らない人に話しかけられた俺の気持ちにもなってくれ」
目の前にいるのは知らない奴、言うには中身は俺の友人だということであり、いくつかの質問を投げてみたところ言っていることは本当で、確かに目の前にいる知らない人は俺の友人であるらしいことが分かった。
唐突に入れ替わってしまったものの、お互いそのあとすぐに用事があるということで問題はいったん保留、さっさと用事を済ましてから解決を考えようということになったらしく、そのままここに来たということだ。
「それはそれとして、困ってるんだよ」
「入れ替わりで人相が全然違ってる以上に困ることなんてあるのか?」
「そこは案外問題なくてな、まぁ会う必要があるのがお前だけだったっていうのが幸いって感じだが……これも入れ替わりが原因になってる話なんだけど、普段と感覚が全然違って困ってるんだよ」
「あー、入れ替わりもののフィクションでよく見るやつだな。体格が変わって、視点の高さが変わったり、手が思ったより短くて届かなかったり、そういう奴だよな。でも、お前入あんまり体格とかは変わってないよな? それでも感覚が違うって感じあるのか?」
「いや、その辺の感覚はたぶん変わってないんだが、肌の感覚とか、なんていうか体の中の感覚がおかしいんだよこの体」
「そうなのか?」
「ああ、なんていうか物に触った感覚が変、この机とか多分樹脂でできてると思うんだけど、普通すべすべじゃん? なんというか、引っかかりはないのにざらざらしてる時の肌触りなんだよ。他にも、体のなかがドロドロしてるような気分。まるで筋肉が液体でできてるみたいだ」
「そんなことも、まぁあるのかもな。人によって感じ方はそれぞれだし、物の色や音の聞こえ方も実は人によって違うかもしれないっていう話もあるぐらいだし、身体感覚にも実は個人差があったりするのかもしれない。同じような見た目で別の種族の人間がいたりする世界だし」
「だよなぁ、入れ替わったすぐとか移動してる間とかは慌ててて気づかなかったんだよ、ここに入って落ち着いて座った後はもう気になって仕方なくてさ、どうしたらいいだろう」
「まぁ、向こうの用事が終わるのを待ってさっさと元に戻る方法を探るしかないだろうな。さすがに一生このままってのも嫌だろうし」
「そうだよなぁ」
「多分向こうも同じこと思ってるから早めに切り上げてくれると思うぜ。俺たちもさっさと済まして連絡入れておけよ」
「ああ、そうするよ」
この後、一応交自身の物を持ってきていた
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