第1745話:プリーツオ~気持ち~
「これ、気持ちです……」
少し親切にしただけの、友達未満って感じの知り合いからお礼として「気持ち」をもらった。
「気持ち……?」
いわゆる感謝の気持ちを物品の形で渡すということがあるのはよくわかる。
しかし、本当に少しの親切のお礼にしてはやけにラッピングが幻獣で、物自体が小さいように思える。
この大きさで返礼の品として適切な品物、高級なチョコレート等の菓子類が浮かんだが、さすがにそこまでのことはしていない。
あの親切に対しての返礼として適切なそれらの質は徳用パック一袋とかだろう。それにしては箱が小さいし、軽い。
なんなのだろう、この気持ちというのは。
まぁ、ラッピングを開けて見ればわかるとリボンをほどき、包装を剥く。
すると、何とも奇妙なことにまた別の包装が現れた。
どうなっているんだろうか、ラッピングの中から別のラッピングが出てくるなんて。
何かおかしいものを感じながらもさらに剥くとさらに別の包装が出てくる。
どうなっているんだ?と感じながらもさらに包装を剥いて、剥いて剥いてと八回ぐらい剥いたところで中身が無くなってしまった。
後日、あの包装の塊は何だったのかと聞いてみると、開けたことに驚かれてしまった。
どうやら、彼女の故郷ではお礼として「気持ち」にラッピングして送るという文化があるらしい。
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