第1734話:イルチー・ロン~王の紋章~
私は死ぬ度に生まれ変わってきた。
その度に共に生まれ変わっているはずの王を探し出して来たのだが……
この世界で彼を探し出すのはとて大変なことになるだろう。
王の体には王であることを示す紋章が浮かんでいるので、それを頼りにして探すことになるのだが、この世界ではどういうわけかその王の紋章が流行りの模様として流通している。
服の模様やアクセサリーとして使っているのはまだいいが、刺青として体に入れているのはやばい。
どうにかして本人か確認しなければならないのだが、王のしるしがあるのだから王であると言われると困るのだ。
どうにかして、紋章を確認する以外の方法で王であることを確認しなければならない。
その方法を考えてからでなければ、軽率に王を探していることを言うこともできない。
考えねば……
何も事情を説明することなく紋章を見せてもらって、何か心当たりのありそうなら王だと判断するか……?
いや、それはいかにも怪しい。
どうしたものか……
そんなことを外で考えていると「イルチー?」声をかけられた。
その声の主は、前の世界ではよく見たお顔で、よく知っている場所に王の紋章があった。
「お、王……?」
そうだ、この世界は今までの生まれ変わりとは違い、そのままの人として生まれなおすものだと聞いた。
ならば、我が王は以前の我が王のままであり、記憶もそのままなのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます