第1703話:オッテル・リレイ~世界の粗~

「そこ、気を付けてね」

「ん? うわ!」

 踏んだタイルが

 見た目は存在するんだけど、踏めなくて、その下に本来の床があった。

「見た目と当たり判定が一致していないんだ」

「どうしてこんなことに」

「見た目を豪華にするならこういう凹凸はあるとよいが、処理の重さや判定の設置の手間の関係で見た目だけ実装されているんだ。この辺はそういう手抜きが多いエリアでな」

「そういう世界もあるんですね」

「ああ、今のタイルはまだましな方で壁とかが見た目と形が違う時とかがあるからな、一応把握している分は地図に書き込んで共有ドライブにアップロードしたりしているのだが……」

「まだ未発見の不備がある可能性があるっていうわけだね」

「そういうこと、定期的に探索して調査を繰り返す必要があるんだよ、把握してて気を付けた方がいい物は言っていくし、調査は僕がやるから僕が見つけた危険なポイントをメモしていってくれ」

「了解です」

「さて、じゃあ今日の目的区域へ行くためのショートカットしようか。この辺の壁なんだけど、この角度で入ると当たり判定の関係でワープする」

「それ危険な奴じゃないんですか!?」

「大丈夫大丈夫、追試は何度もやって再現性の高さは取れてるから」

「えぇ……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る