第1701話:エケ・ルートイ~妖怪~

「妖怪の話をしよう」

「妖怪?」

「そう、妖怪。魔物と混同されることもあるが、魔物が超常な存在の総合的な呼び方であるのに対して、妖怪はとても限定的な括りだね」

「なるほど……」

「大抵は幽霊や死霊といった死者の念が現象と混ざりあって生まれた存在を指すことが多いね」

「なんか怖い気がするんですが」

「そうだね、大抵は怖い。怖い現象と混ざりあてるパターンが圧倒的に多いし、遭遇したことにも気づけないまま命を奪われることも多々ある」

「うっわ、怖すぎる」

「そう、だから安全に対処をするためには正しい知識と影響範囲の把握が大事なんだ」

「なるほどなぁ」

「そうだな、今から語る妖怪の名はあずきあらい」

「あずきあらい」

「こいつは河原に出てくることが多い、たいていの場合姿を見ることはできず、小豆を洗う音が聞こえてくるという妖怪だ」

「小豆を洗う音が聞こえてくる、だけですか?」

「誰かが小豆を洗っているのかと探してみても姿をとらえることができないって言う部分がまぁ妖怪っぽいポイントだな。具体的にどう死ぬかは定かではないが、死ぬこともある危険な妖怪らしい。できれば捕獲して調査したいんだ」

「待ってください、なぜ河原で小豆を洗っているのですか?」

「さぁ……」


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