第1655話:イレビ・レリティオ~海の怪物~

「海にいる怪物は陸にいるのより数倍やばいんだよ」

「そうは言っても、魚とかそういう怪物でしょう?」

「そうだよ。魚、それがやばいんだよ。魚って言っても、クジラとかみたいなクソでかいやつもいるし、鋭い鼻先で船に穴を開けてくる奴もいる。というより、船の上で戦わないといけない時点で不利なんだよ。船が壊れたらそれこそ終わりだしな」

「あー、そっか。じゃあ、船の上以外で戦えるようになればいいんだよ!」

「それは具体的にどうやって?」

「水の上に立てるようにするとか」

「なるほど? 確かに水の上に立てるようになれば船が壊れても大丈夫だな」

「でしょう?」

「しかし、人間が生身で海の怪物と渡り合うには、地上で竜と戦えるぐらいの戦力が必要なんだ。まだその存在が確かではなかった頃は、災害だと言われて恐れられていたぐらいでな」

「そんなに」

「そうだ、海の中で体の大きさに制限が失われているからな、めちゃくちゃでかいし、そのめちゃくちゃでかい海の生物の中でも怪物と呼ばれるぐらいだから推して知るべしといった感じだ」

「うわぁ、確かにそれはやばそう……」

 あんまり地上の怪物と直接戦うことはないから、強さのイメージが微妙な感じになってしまうんだ。

「なるほどなぁ」

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