第1653話:フリーフ・ミルディ~防御要塞~

「案内してきました」

「ご苦労、どうぞこちらへ」

「どうも、しかし厳重な防御ですねこれは。近々戦闘の予定でも?」

「その兆候があったのでな、備えている」

「あの迷わせる道も防御要塞としての備えですか」

「いや、あれはこの土地に常に展開されていてな……、攻められがちな私たちは防御拠点として有用という理由で、ここに陣を構えているというだけなんだ。仕組みが解析できればもう少し地形的にも有利な場所に陣を構えたいと思っているんだが……」

「あぁ確かに他の要素では防衛拠点向きな構造はしてないですからね」

「そうなんだよ、何が影響してるのか、どこかに装置があるのか、変なガスが出ているのか、単純に右と左の概念が存在しない世界の土地だったのか、そのあたりがわかればいい場所に引っ越すか、違う場所に築くか考えられるというものなんだけどね」

「なるほど、物資置いておきますね」

「ああ、いつもありがとう。少しお茶でも飲んでいくかい?」

「いえ、案内の人に待ってもらってるので」

「そうか……」

「……まぁ案内人にも暇は必要でしょう、飲んでいくことにしますよ」

「そうかそうか、それはよかった。あいつもいつも仕事仕事でいつも大変そうだからな。呼んできてやったほうがいいかもしれん」

「そうですね、呼んできます」

「あ、ちょっと待って……行っちゃったか、一人で行くと迷ってしまうのになぁ」



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