第1616話:イチミ・リスクル~ミケシさん~
「さて、噂になっている都市伝説を始末しに行くよ」
「こういうのって大抵フィクションだと怪物化した都市伝説の主と戦うことになると思うんだけど、勝てるの?」
「んー、バトルになりそうなやつの対応をすることになりそうなときは専門の戦士を雇うよ。今から行くのは多分バトルにはならないようなやつ。そんで変質していたとしても予想の範囲内に収まりそうなやつだね」
「それなら安心だ」
「まぁ、予想外のことなんていくらでも起きうるから、用心はしておいてね。命にはかかわらないとは思うけどね」
「それは命にかかわることになるやつでは?」
「大丈夫大丈夫、今から始末しに行く都市伝説はミケシさんっていうんだけど、害のないやつだから。ちょっと奇妙で、何とも言えない気持ちになるぐらい」
「具体的には?」
「夜道で後ろを付いてきて、歩調を合わせてくるの。振り替えると遠くも近くもない距離を保ってるんだけど、逃げようとして走るとすぐ真後ろを走られてるみたいな足音が聞こえてきて、その状態で振り返ると消えてしまうっていう都市伝説。だから
「消えちゃうのに追い抜きなんですか?」
「振り向いたときに反対側から追い抜かれてるってことなんでしょ、これはとりあえず怪我とかしないし、実際に現れたら遠くから片方が見て看破すれば退治もどうにかなるでしょう」
「確かに危なくはなさそうな……」
「もし変異してたら追い抜き際に刺されたりするかも」
「さすがにそれは元と離れすぎなような……でも気を付けてくださいよ?」
「何言ってるの。囮はあんたよ?」
「え」
「看破して対処するのは私の役目なんだから、見失うことが確定している追われる役はできないの。まぁ危なくなりそうならすぐ助けるから。頑張ってね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます