第1579話:フピロン・レイチル~虫~
「今日の仕事は虫の駆除だ」
「虫? 殺虫剤でも撒けばいいんじゃないの?」
なんか地味な仕事持ってきたなぁ。
でかい虫型モンスターの討伐とかならまだ盛り上がるんだけど。
「それで済む虫ならいいんだけどなぁ……、今回のターゲットはこれ」
そういって見せられた画面には芋虫が映っていた。
詳細の情報も併記してあるが、よくはわからない。
「この虫は実体があるわけじゃなくて、なんといえばいいのか……電気的な情報を食べる……そういう特殊な虫なんだよ」
「コンピューターウイルスみたいなものってこと? それならワクチンソフトを走らせれば……」
「それも違うんだよなぁ、なんというか、この虫はコンピューターネットワーク上に現れるウイルスとかそういうたぐいのものでも、実体を持つ葉を食べる虫でもなくて……。そう、伝達中の を食べるの」
「なんて?」
「ああ、出てきてるみたい。情報を食べるの 、今伝えてるこ 会話も食べられ始 る」
「え、情報を食べるってそういうこと?」
対面で肉声でやり取りしてるのに部分的に言っている意味が消えている。すごい、気持ち悪い。
「うわー、虫食い なっ る!」
まだ何とかお互いが言っている意味は分かるが、さっさと駆除してしまわなければ連携も何もできないだろう。
「とりあえず倒し方!」
「強い 気に弱いから、このスタ ッドで殴ればなんとかなるはず…… 実体は いから、手ごたえはないけど、あとこ ーグルで見えるようになるから! この 帯に沸いてるらしくて、残り個 数もゴーグ 出るから頑 て一掃するよ!」
うわー、なんて言ってるか全くわからない。
一応差し出されているもので駆除することはわかったが、早く殲滅しないといけない。
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