第1523話:レイべ・フリグリン~出土品~
「これ、売れますかね……?」
「そうだなぁ、歴史的価値はあるかもしれない。回収しておこう」
埋もれた遺跡を探索して掘り起こしたのは土の人形。
他にも瑠璃石の装飾品やらなんやらが掘り起こされたのだが、特殊なまじないのかかったものと言うわけではなく、強いて言うなら材質の特性で多少の魔除けの効果を持っているぐらいか。
「しかし、ずいぶんと古い遺跡ですね。よくいままで誰にも踏み込まれることなく残ってたものです」
「まぁこれは傍から見たらただの丘だもの、こういう地形というだけならいくらでもあるからね。それに魔術的な出土品がなかったことから分かるように、この遺跡には気配がない。魔術的なもので遺跡を探す人もさすがに見つけられなかったみたいだ。見つかってたとしても大して優先度も高くない、言うなれば無用な遺跡だったからこそ残ってたというところだろうね」
「なるほどなぁ」
「さて、持てるだけ持ったし、出ようか」
「これは古い時代のお墓の副葬品ですよ!」
売るために掘り出して来たものを鑑定に出したところ結構な値が付いた。
「副葬品?」
「そうです、高貴な身分の人のお墓に一緒に埋める装飾品や、埴輪を言うのですが、この世界でこういう物が見つかるのは稀なので、結構な学術的な価値があるんですよ。遺跡の場所の情報にも結構な値が付きますが、詳しく話を聞かせてもらっても?」
「いいですよ。だいたいこの辺の丘で、入り口はこの方角のこの辺だったかな」
詳しく教えてしまった。
「よかったんですか? 全部掘り起こしてからの方が良かったんじゃ……」
「いいのさ、価値が分かる奴に掘り起こしてもらった方がな。まぁあとは見つけ方のコツをつかんだからほかにも見つけられるだろうし」
「そういうもんですか」
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