第1510話:レイル・フライプス~神の眷属~

「フライプス様はいずこに……!!!」

「レイル、ここは死後、別の世界なのだ。フライプス様がおられぬのは無事な証ではないか。喜ばしいことだぞ」

 他の神との争いの最中、私、レイル・フライプスと彼、ヒパシェ・フライプスは命を落とした。

 その結果、この世界に来ることになってしまったのだが、フライプス様が心配で心配でどうにかなってしまいそうだ。

「いっそのこと、フライプス様もこちらに……」

「まて、滅多なことを口走るものではない。それ以上言うならば私がお前を殺す」

 しまった、この世界に来たら無事ではなかったという事。

「しかし、敵に捕らわれてあれやこれやの拷問をされていると考えると……!」

「確かに、そういう意味では不安ではあるが……」

「近くにいれば安心なのだが……」

「我々にできることは無事を祈ることぐらいだ」

 何か他にできることはないだろうか。

「ん、あれは……?」

 ふと目線を向けた先にいたのは、敵の神の眷属の一人……!

 私たちが出てきた建物から出てきたばかりということは、こちらに来たてという事!

「貴様!!!」

「うわ、なんだ……、お前は……!」

「戦況はどうなっている! お前がこちらに来たということはフライプス様が戦況有利ということか!?」

 掴みかかって尋ねる。

「さぁ、どうかな……。俺が最後に見た時は……」

 最新の戦況を聞かされた。

「なんだと……」

「フライプスの野郎との対面も早いんじゃないか?」

 戦況は絶望的に不利らしい。

「ならば、フライプス様がこちらに来た時のために貴様らをあらかじめ滅ぼしておくことにしよう! レイルも手伝うのだ! 私がこのまま押さえておくから、とどめを刺してくれ!」

 降臨の場を用意しておかなくては、この世界の他の神を滅ぼす計画も立てなくてはな!

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