第1491話:フレット・リヴェロ~野生動物~

「緊急事態だ、狩りに行くぞ」

 村一番の腕前を持つ狩人が人手が欲しいということで狩りに誘ってきた。

 こいつが人手が欲しいというなんてどんな魔物が出たのだろうか。

「何々? また強大な魔物が出た?」

「いや、魔物ではなく野生動物」

 野生動物、魔物と野生動物の境は単純に危険かそうでないかぐらいの差でしかないが、野生動物相手に緊急事態なんて表現をすることがあるか?

「野生動物? そんなもん狩りに行く必要あるか?」

「あるぜ、今回現れた奴は肉が美味いからな」

「緊急事態って言うほどでもないじゃねーか」

「そして、最近肉の貯蔵が少なくなってきてる」

 どうやら最近狩っていた魔物は肉が取れないものばかりだったようで、ようやく肉が食べられてしかも美味い動物が来たということでテンションが上がってしまったようだ。

「そっちは緊急事態だな……!? 先に挙げろそっちを」

「納得してもらえたようで何よりだ。じゃあ行こうか、結構たくさん同時に来たんだよ。狩りつくしてやろうぜ」

「それは仕方ない」

「というかヤバい強い魔物を狩りに行くのに人手は必要ないしな、足手まといになるだけだし」

 まぁそうだ、単純に数が多い物を取りに行く時こそ人手が必要になるしな。

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