第1452話:ナユ_サナクルⅦ~~

「おや、君は……」

「あ、あんたは……」

 転生してきたときに担当してくれた人だ。

 25年振りだぞ?まさかまだ顔を覚えているのか? この人はどれだけ記憶力がいいんだ。

「どうも、お久しぶりです」

「自分との暮らしはどうだい? なかなかおいしい目にも遭えてるんじゃないかな?」

「そういえば聞きましたよ、あなたが女の方の俺にあのことを教えたんですね」

「あのこと……? あぁ、あれか。面白い話じゃないか、話しちゃダメだったかい?」

「だめだ、ていうかよりにもよって女の俺に……」

「女の俺にって俺の女にって言うとちょっといいよね」

「よくないが?」

 こういう人なんだよな……

 ふざけているというか、ふざけている。別の言い方は思いつかないな。

「そうそう、彼女は元気かい?」

「ああ、元気だよ。おかげで運動不足も解消された。俺は女だったら安南になるとは思ってなかったけどな」

「もうちょっとおしとやかになると思ってた? 結構いるんだよね、好みのタイプは性別が反転した自分だっていう人。たまにこうやって性別が違う自分と出会うことがあるんだけど、だいたいイメージと違うんだよね。みんな自分に幻想を抱きすぎなんだよ」

「別にそういうわけじゃないが……めちゃくちゃ言うなあんたは」

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