第1438話:ロレンツィオ・ハベーシ~人道兵器~
「これは?」
「フレッチ、かの大戦の遺物の中で数少ない詳細が判明しているもので、人道的な兵器だ」
「フレッチ?」
「そう、語ろうとすると前提が必要になって少し長くなるのだけれどね、かつては魔導士を消耗品のように扱う兵器が多々あってね、その、具体的な話は……やめておこうか、興味があれば調べてみるといい」
フレッチで検索かけたら出てくるかな?
「話を続けよう、当時の非人道的な兵器を憂いた大魔導士が開発したのがこのフレッチという非常に人道的な兵器だ」
「この兵器はどう人道的なんですか?」
「そうだな、まずは魔導士が魔力を使わない」
「魔力を使わないということは、命を削って戦うようなことをしなくていいということですよね?」
「そういうことだ。そしてこれの構造は火薬を用いて質量弾を撃ち込むというものだ」
「へぇ、ん……それって……」
「ああ、気付いたか?」
「科学の軍の武器ですよね、それ」
「ああ、どういう経緯での戦争だったのかははっきりとしていないが、長期に渡る戦争の中でお互いの技術戦術思想が交錯することはまれにあることだ。まぁなぜ人道的な兵器として残ったのかは定かではないがな……」
「ていうかこれが新しく考案されるような戦況、考えたくないですね……」
「興味があったら調べてみろよ」
「興味はありますが調べたくないですね……」
「そうだな……」
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