第1388話:ヒビテ・スルリア~規則違反~

「規則違反ねぇ」

 朝ポストに入っていた紙切れ一枚に書かれた文言を見る。

『貴殿は当自治体の提示している規則に違反している』とのことだ。

 規約に違反しているというからには違反している規約の条文がどこかにあるはずで、それがわからないと何をどう訂正したらいいのか、そもそも訂正しなかった場合どういう罰則があるのかもわからない。

 自治体の規則と言うからには自治体のHPでも見たら条文が存在するであろうことは想像に難くない。

 ちゃちゃちゃっと調べようとしたところ、規則に違反しているユーザーのため、当サイトを表示することができませんとのことだ。

 なるほど……

 これが規則違反者に対する罰則の一つ……

 ちょとまて、この状態でどうやって規則を確認して訂正して、撤回したことを伝えればいいんだ?

 それともこのまま荷物を纏めて街を出ていく必要があるのか?

 なんなくそういうことのような気がする。

 まぁこの街に対する思い入れもあるわけではないしこんな扱いをされるのであれば出ていくのもやぶさかではない。

 ならば仕方ないと早速多くない荷物を纏めたので街を出ることにしたのだが、なんてこった、街を出る途中にも検問があって、規則に違反している住民だからと移動を制限されてしまった。

 ならば違反している規則とは何なのか、どうしたらよいのかを聞いてみたが違反者からの問いかけに応えることはできないという札を提示されてしまった。

 完全に詰みだ、どうしたらよいのだろう。

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