第1382話:トリカエ・エラダ~未完成世界~
「なぜ世界が滅びたのか教えてもらえませんか」
世界が滅びてその際にこの世界に来るこになったんだけど、何がどうして世界が滅びたのかはわかっていなかった。
納得もできてないし、どうして世界が滅びることになったのかを知ってる人に聞けたら聞きたいと思っていた。
のだけど……
「世界が滅びた理由か……」
本当に知っている人に出会うことになるとは思わなかった。
彼は適切な表現を探すのであればあの世界の神という奴だ。
ここで出会って話ができているのは本当に奇跡的なことで、二度とない機会だろう。
「ありていに言ってしまえば、あの世界は失敗作だったからだ」
「失敗作……?」
「そうだ、あの世界は無限に世界を試行しているうちの一例でしかなくてだな、あの時点での査定にて基準を満たすことができていなかったのだ……具体的なことは私にもわからないのだが……」
「わからないっていうのはどういうことだよ」
仮にも神様とあろうものが、世界の存続の基準がわからないなんてことはないだろう。
「なんというか、私も世界の運営は初めてでな……上に審査機関があるのだ……、そこがダメと言ったら世界は消去されてしまう」
「神様の世界にもいろいろあるんだな……、あれ? じゃあなんであんたはここにいるんだ?」
世界を何度もやり直せる神様が世界が消えたことで死ぬのは変な話な気がする。
ゲームのデータが破損してもプレイヤーは死ぬことはない。
「まさか、世界の運営に失敗して処刑されたとか……」
「いや、そういうわけではなくて……、ただあの世界でアバターとして使っていた姿と意識が世界の消去に巻き込まれたんだと思う」
なんというか、この神様に運営されていたというのならあの世界が基準を満たせずに消されたというのもなんとなく納得ができるような気がしてきた。
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