第1372話:アビ・カリアキ~混雑~
「人が多い」
久々に街に出たら人の多さに困惑する。
どこにこんなに人がいたのだろう、この辺にこんな家は無かったはずではないのか。
こんなに人がいては行きたい方へも行けやしない。
人がはけるまで少し待つか、それとも流れの中に飛び込んでうまく目的地にたどり着けるように祈るか……
まぁ、自殺行為だな。
人がはけるまで待つか……
一向に人が減らない。
ていうか、暇で観察していたがあの人ごみは流れていないような気がする。
さっきあそこの端にいた人は今もその端にいるし、人ごみの中の背の高い人も位置が変わっていない。
これは待っていても人ごみははけないし、人ごみに飛び込んでみても目的の場所には行けなさそうだ。
ていうか、これ……
なんでこんなに人が詰まった状態になっているんだ……?
何処かへ行こうとしてる人が集まっているんじゃなくて、ここに詰まるために人が集まってきていると考えた方が自然なぐらい人が詰まって動かなくなっている。
俺がしばらく出てきていなかったうちに、何かそういう風習ができたのか……?
それとも何か理由があって詰まっているのか……
ダメだな、ずっと待っていても道は空きそうにないし、今日は帰ることにしよう。
そう思って帰り道の方へ目を向けると人が詰まっていた。
ん、帰れないな?
あれ、そもそも俺はどうやってここまで来たんだったか……
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