第1342話:ヒシボシ・マルハ~作戦会議~

「さて、作戦を説明する」

「いらねーよ作戦なんて、突っ込んでぶっ殺してしまいだろ」

「いつも君はそれで痛い目に遭ってるじゃないか。いい加減懲りなよ」

「二人とも静かに」

 話を止めないと作戦会議が進まない、作戦はいらないと言われてしまうが、そんなことはない。

「今まで無策に暴れて失敗続きだろうに、今や我らの領土はこの小屋しかないのだぞ」

「わかってるさ、後がないってことはわかってる。だけども難しいことは考えられないぜ? 小難しい作戦とやらを考えたところでうまくいくとは思えないがなぁ」

「それはわかってる。だから、君の役割はシンプルに合図したら飛び出して暴れてくれればいい」

「それはわかりやすくていいが、作戦か?」

「僕と彼はもう少し複雑な作戦があるんだ、君は会議の間黙っていてくれさえすればいい」

「そうかい」

「なら私は何をすればいい?」

「敵の分断、シラバルが暴れられる環境を作ることを考えよう。今回のターゲットの村は30人ぐらいの規模だったから、シラバルなら10人ぐらい行ける」

「その計算だと私とあなたもそれぞれ10人ずつ相手にすることにならない?」

「……うまく立ち回ろう。作戦会議は以上だ、最善を尽くそう」

「この作戦会議、何か意味かあったかな……」


 当然のように負けたし、シラバルに出す合図も決めていなかったことが後から判明した。

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