第1279話:シラガーラ・ジュグズ~神の名~

「我が名の意味?」

「うん、シラガーラ様って神様でしょ? 名前が二つに分かれているけどどっちが家族の名前?」

「うむ、なにから説明しようか。まず最初に、我に家族というものは無い」

「え、家族ないの?」

「無い、よその神は知らぬがうちの神共は人のように家族というものを持たない、それぞれが個として存在し、繋がりというものがない」

「じゃあその、名前が二つに分かれてるのはどういう意味? シラガーラジュグズで一つの名前? そう呼んだ方がいい?」

「いままで通りシラガーラで良い」

「様は?」

「好きにしろ……して、我が名の意味だが、我は知らぬ」

「えー、知らないの? 神様なのに?」

「この場合、神だから知らぬのだ」

「どういうこと?」

「神の名とは、それこそが意味だ。物事を形容する言葉になると言ってもいい、しかしそれは神の名に肖るために音と意味をつけた物なのだ」

「じゃあそれが意味なんじゃないの?」

「しかし、その意味を神が知ることはない」

「なんで?」

「神に肖り意味を授かることに意味があると人は言っていた、人に神が影響を受けることがあってはいけないのだと」

「ふぅん、意味わかんないね」

「そういうものなのだ」

「じゃああたしが意味をつけてあげる!」

「そうか」

「もっと喜んでよ! シラガラってる!」

「シラガラってる?」

「テンションが低いって意味! シラガーラ様の名前の意味だよ!」

「そうか、我はテンションが低いか」

「うん、もっとテンション上げてこ!」

「それではシラガラっているはテンションが低いという意味では使えないのでは?」

「それはそれ、これはこれ!」

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