第1208話:ファグ・フォグ~皿が無い~
「しまった」
調子に乗って汁もの麺料理を作ってしまったのだが、これを入れる深いどんぶりが無い。
鍋から直接食べるという手もないことはないが、この鍋は結構深いから食べにくそうで嫌だな……
ううん、完全に計画不足だ。
どうしたものかなぁ……、そうだ前に一度見てアレをやってみたいと思っていたんだ。
形状が自由にできるバリアを使って器を構築し、それに麺とスープを注ぐ。
バリアなんて実体があやふやでもしかしたら零れたりするような気がしていたが、案外しっかりとしている。
ただバリアの質感はもう少しガラス的なものにすればよかった。
このバチバチしたバリアは自分に対しては攻撃的な効果を持たないものの、見た目的に穴が開いてそうで嫌だ。
しかし見た目に反して液体も染みないし、持ち上げるのにも意外と支障がない。
「これ、洗い物も減るし普段からやってもいいんじゃないかな」
いいことに気づいた、またやることにしよう。
そんなうきうきとした気分で全て食べ終え、さて片付けるかとバリアを解除して迂闊だったと後悔する。
「そうか、こうなるのか……」
バリアに少し残っていた汁がバリアを解除したと同時にあたりに飛び散った。
次からはちゃんとバリアを解くのはシンクの中にしないといけないな……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます