第1166話:フフェーニ・フロライダ~竹林整備~

「この林の整備が今日の仕事ですね」

「そう、竹とかテガウ、テイタカとかまぁいろいろ呼び方はあるが……、厄介な植物でね。できるだけ範囲を広めたくないんだ」

「別に全部刈り取ってしまえばいいのでは……、保護対象とかじゃないでしょう?」

「いやぁ、まぁそうなんだけどねぇ、これが増えやすいんだよこれ」

「転生数が多いということ?」

「うーん、そういうことではなくて、この林一つで一個体なんだよ」

「……?」

「これ木が根で全部繋がってるんだ、だから全部掘り起こさないと根絶できないんだよ……」

「全然想像できない」

「まぁ詳しい図解はまた今度、今はとりあえずできることは間引き程度しかないってことを理解してくれればいいよ」

「了解です」

「まぁ、定期的にする必要があるってだけであんまり大変な仕事じゃないから、気負う必要はないさ」




「楽じゃないけど、大変ってわけではないですね」

「まぁ、魔物がいるわけでもないからな」

「慣れれば定期的に仕事が入るし、ちょっとしたボーナスゲームって感じだな……っとぉ!」

「え、何です!?」

「パンダだ! すげぇ珍しい!」

「え、パンダ!? なんです!?」

「あれだよ、あんまり大きい声を出すなよ」

「出してるのは先輩なんですけど」

 指し示された先にいたのは白黒の熊。

「あれ熊でしょ、白黒ってのは珍しい柄だと思いますけど」

「その白黒の熊がパンダなんだよ、俺の地元では結構な人気者だったんだぜ」

「へぇ、あんな見た目して愛玩動物なんですか」

「いや、ちょっと食性が特殊な肉食獣だ。刺激しないように離れるぞ」

「そんな動物が人気だったんですか? 先輩の地元どうなってるんですか」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る