第1159話:ヌーメン・ニドヒコ~夢か現実か~

 ハッと目を覚ます。

 窓の外を見ると暗く、まだ夜であることに気づく。

「夢か……」

 渇きを覚え、水を飲むために起き上がる。

 蛇口に手をかけ、今はなんの夢を見て飛び起きたのかと思いだそうとするが、どうにも思い出せない。

 まぁ、いいかと寝床に戻ろうとして戸に手を掛けて梯子を上る、あれ? さっき起きてから梯子は降りたっけ?

 ふと、目が覚める。

「あれ、夢か」

 喉は乾いていない、さっき夢の中で飲んだからか、いや蛇口に手を掛けただけで寝床に戻ろうとしていた、と思う。

 どこから夢だっけ?

 喉が渇いて起きたところから夢か、それともその前に見ていた夢のところから夢か。

 全部夢か、それとも今もこれが夢か。

 全然わからなくなってきた、とりあえずこれが夢じゃないなら目を覚まそう。

 寝床の梯子を下りて、下の階にある蛇口を、あれ違うな、今住んでいる家に梯子は無かったはず、降りている途中に気づく。

 さっきの夢に引っ張られているな、いかんいかん……

 とりあえず降りかかったものは最後まで降りて、地面に足をつける。

 サクサクと砂の感触がする。

 一回は海だったか、そんなような気がする。

 波の音が聞こえる、よく眠れそうだ……




 朝になって目が覚めた、シンクの前、蛇口から水が出っ放しだ。

 夢を見ていた気がするが、はて、どうしてこんな場所に倒れて寝ていたのだろうか。

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