第1118話:テトル~空欄~
手が止まった。
上から順に解答欄を順調に埋めていると中程に、問題文の存在しない欄がある。
これは、何を記入する欄だろうか。
とりあえず一旦置いておいて他の欄を埋めていく。
他のところは難なくとまでは行かないが、順調に埋めることができた。
さて、あとの問題はこの謎の空欄。
対応する問題文がないのは最後まで終わらせて1つも問題が余らなかったことで確定している。
どうなっているのか、どこかに問題文が隠されているのだろうか。
残り時間はあまり長くない、早く見つけてしまわないと……
とりあえず、可視光以外で記述されているのではないかと、カメラを通して波長をずらしてみたり、枠線に偽装されているのではないかと目を凝らして線を端から端まで見てみたり、特殊な手順を踏むと問題が出てくるのではないかとか、他の問題文の中に問題文が隠されているのではないかと頭をぎゃんぎゃん回転させて探したりをして、制限時間ギリギリになってももうなんにもわからん、何が隠されていようと見つける時間が無い。
せめて空欄にだけはするまいと、悪あがきに(´・ω・`)と記入し、大きなため息をついて退室した。
採点が終わった答案が返ってきて、ちゃんと記入できたところの正答率は8割ほど、それはまぁ予想できたことだからいい。
問題はあのなんだかわからない欄だ、99%正解ではないだろうが、正しい答えが知りたい。
あの欄のところを見てみたら、〇も×もついていない、どういうことかと問い合わせたらあの欄はスペース調整用のブロックだったとのこと。
紛らわしい……
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