第1105話:チェーハズ・チュイ~遥か彼方~
「昔、世界の大きさに打ちひしがれて一週間ぐらい寝込んだことがあってさ」
「……何の話?」
「宇宙の星の大きさにね、立ってる大地も大きな球体で、それの何百倍も大きな星が空に点にしか見えない距離であって、さらにその集まりすらもたくさんあるとか、そんな感じで世界のスケールをどんどん大きくしていったら比較してどんどん自分が小さくなっちゃってさ、不思議なことに考えのスケールを大きくするたびに自分の存在は小さくなっていくのよ、実際は何も変わっていないのにね」
「そういうことね、聞けばわかったけど僕はそういう経験無いなぁ。僕は僕に見える範囲を考えるのでせいいっぱいだったよ。でもどうしていきなりそんな話を?」
「ふと思い出したからさ、この世界は大地はこれと空の向こう二つしかないけど、その二つの大地はとんでもなく遠くまで続いてるんだってことに気づいちゃったからかな」
「そういえば果ては相当遠いって言う話はよく聞くよな。誰かが果てを目指して旅をしたって話を聞いたことがあるけど、結局たどり着いたって話は聞かないし」
「そうなんだよねぇ…………」
「ボーっとしてどうしたの」
「ちょっと、視点のカメラを引いてどんどんスケールを大きくしてた……」
「果ては見えたか?」
「わかんない」
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