第1013話:メグラ・ベークス~温泉街~
「ねむ……」
起きたはいいものの、頭が痛い。
確か昨夜、この部屋でボードゲームが白熱して、そのまま雑魚寝したような。
周りをみてみると、リンさんが隣で寝ていて、ピピさんはいつの間にかいなくなっていた。
他のグループから来ていた人とかもいない。
いつの間にいなくなったんだ、そういえばノモ君や店長もいない。
ていうか、あれこれはもしかして、リンさんと二人で寝ていたという状況なのでは?
やましいことをしたわけではないけど、少し気まずいような気もする。
「あれ、おはよ~」
そんなことを考えてたらリンさんが目を覚ました。
「あああ、おはようございますリンさん」
「うん、おはよ~。……?あれ、なんでメグラくんがいるの?」
起きてすぐは頭が回ってなかったのか、少しして冷静になったのか、気まずくなる質問をされる。
「えーと、あのー、あー、ここが僕の部屋だから、ですね」
よくよく考えたらそうだ、僕がリンさんの部屋で目を覚ましたとなれば問題かもしれないけど、ここは僕の部屋だ。
「えーと、ここがメグラくんの部屋で……」
だんだん意識がはっきりしてきたのか、現状の認識ができてきたようだ。「なんで私がメグラくんの部屋で寝てるの!?」
完全に目が覚めたようで、いろいろ確認している。
「昨日、ボードゲームやってるの見ながら寝ちゃったんだよ。覚えてるでしょ」
「あー、なんとなく、なんとなく覚えてる、だいたい分かった」
「わかってもらえてうれしいよ」
誤解は解けたようだ。
「でも、なんで他に誰もいないんだろう。店長とか、ノモ君とか」
「あ、ここにメモがあるよ。温泉行ってるんだって」
「朝からか、あれでもそういうもんなのかな」
「さぁ? 私たちも行く?」
「まぁ、せっかく温泉に来てるんだし、何度も入っておこうか」
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