第1011話:皇勇人ⅡⅩⅣ~お土産コーナー~

「ちょっとしたミニゲームだったな……」

「でしたね……」

 であったばかりのノモ君と協力して戦車を動かし、魔物の群れを相手にシューティングゲームをして帰ってきたら夜。

 日はすでに弱くなっていて、もしかしたらみんなは寝ているかもしれないぐらいの時間。

「汗かいたし、また温泉寄っていこうかな」

「いいですね」

 ならばならばと二人でそれぞれ用意をしてロビーに集合だと、言って別れる。


「あれ、誰もいないな」

 着替えだけ取りに部屋に戻ってきたものの、モンスさんもロボもいなかった。

「どこ行ったんだろ」

 まぁ、ロボはよくわからんけど、モンスさんは散歩でも出てるんだろうな。


「こっちもいない」

 ロビーに来てみたけどノモ君はまだ来てなかった。

 どうしたんだろうか、とも一瞬考えたけど、単に俺が早く来すぎただけか。

 少し待つと疲れた様子でノモ君が現れた。

「お待たせしました、なんか、部屋にみんな集まってて、知らない人もいたりして、」

「いいよいいよ、じゃあ行こうか」


 温泉までの道、お互いの話をしていた、ペットショップで働いていることを聞いたり、先輩に変な虫がついてること、周りの皆はそれを良しとしてることか教えてくれた。

 それ、普通にその先輩のことが好きで知らない人と仲良くしてるのを良く思えないだけなのでは?ありていに言ってしまえば嫉妬?みたいなことを思わないでもなかったが、言わないことにした。

「その先輩のことが好きなんだね、ノモ君は」

「そりゃあ好きですよ、でも向こうは全然気づいてくれなくて……」

「あー、」

 好きなことを素直に言えるのすごいなぁ、文化の差かな。

「まぁ、頑張ってね」



 温泉に着いて脱衣場

「…………」

「な、なんです?……」

 服を脱ぐノモ君を見ていたら気付かれた。

「いや、ケモいなって思って」

 ノモ君は犬の獣人だった、いや顔を見ればわかるしわかっていたんだけど、顔が犬なのはもう慣れた話だったから気にしていなかった。

 でも服を脱ぐとやっぱりケモい。

「ケモ……?」

「あ、ごめん何でもない」

「?」

「ほら、温泉行こうよ」

 なんとなく、本人に伝えるのは気が引ける内容なだけに、あわててごまかす。

 やっぱりボディソープとか使わずに全身シャンプーで洗うのかなとか思ってしまったし、実際その通りだったから笑いそうになってしまった。

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