第1001話:メグラ・ベークス~秘湯~
あ、新しい団体が来てる。
リンさんの職場のピピさんが当てた福引きの景品での温泉旅行に僕も同伴させてもらっている。
「本当に僕も来てよかったんですか?」
「もちろん、君もうちのメンバーのようなものだからね」
「いや、僕はただの常連ですよ」
「え、そうだったの!?」
「いやリンさんはわかっててくださいよ」
そもそもこの団体と僕の元々の接点はリンさんなんですから。
最近は店長さんと飲みに行ったりはするけど、やはりリンさんがいなければなかった付き合いだ。
「いいんだよ、店長がいいって言ってるんだから」
「リンさん」
リンさんと店長さんが身内だと言ってくれるなら遠慮することはないか。
とも思ったけど、どうやらよくは思ってない人が一人いたようで
「いいや、俺は部外者だと思ってるぞ、今からでも帰れ!」
「こら、ノモ君そんなこと言っちゃダメだよ!」
どうやら嫌われているようで
「もしかして、ノモ君は僕のこと嫌い?」
「もしかしなくても嫌いだ」
素直に聞く僕も僕だが、そのまま嫌いと言われるとは。
「ノモくんが嫌いでも呼んだのはアタシだからさ、ノモくんには追い出す権利はないよ」
ピピさんがノモ君を窘める。
「さて、ロビーで喧嘩などしていないではやく温泉へ行きましょう、少し歩くらしいですからね、喧嘩は道中でもできます」
店長さんがはやく温泉へ行きたいという強い欲求から移動を促す。
「いや別に喧嘩はしてないですから」
「まぁ、帰らせたいのも俺一人みたいだし、別にいてもいいぞ」
なんとなく、店長さんは怒らせると怖そうなんだよな。
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