第983話:ボルタ・イナン~外のない空間~
起きた、時間は全くわからないので今を朝とする。
ベッドから起き上がると周りは白い空間、何もないわけではなく、まだ何にもなってない白い塊が果てまでいくつも転がっている。
いつもの風景を再確認するように頭の中で反芻する。
「いつも通りだなぁ」
白い空間白い塊、いつの間にかできていた白い家具類。
ここにきてどれだけの時間が経ったかはわからないけど、おなかもすかないし、寝たいだけ寝られるし、まぁどうでもいいでしょう。
ここがなんなのか、来たばかりの頃は気になって、帰る方法も考えたりしていたけど、どうやら今この家具が置いてある場所を中心にどこまでも広がった空間らしくて、でも不思議と室内という印象がある。
開いた空間ではなく、閉じた空間で、どうやら外へつながる扉は無いらしい。
白い塊は転がりながら何かになろうとしているらしくて、日々景色は変わっていくんだけど、意味のあるものになった塊はまだ見ていない。
たぶん、使っている家具とかが白い塊の成れの果てなんだけど、他にそうなったものは見当たらない。
たぶん、私が必要としていないからだと思うんだけど、試すためになにかを求めるようなことも思いつかない。
「うーん、寝よ……」
もう何も興味が無いし、ベッドに横たわって目を閉じる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます