第935話:ザツラグ-ロフシャ~ああ煩わしき手続き~
さて、引っ越しの荷物の再配置の確認も終わったし、引っ越しの手続きをしに役場にでも行くか。
と、まぁ気軽に「ついでに歩いて町の感じでも見るかぁ~」というぐらいの軽い感じで、まぁ役所に来てみたわけなんだけど。
「まだ?」
カウンター上に表示された番号と、手元の感熱紙に印字された番号を見てつぶやく。
かれこれ、2時間は待っているし、意味の分からない項目を100個ぐらい埋める手書きのシートを書かされたし、暖房だろうか?待合室の湿度がなぜか高くてふにゃふにゃになっている。
さらに半時ぐらい待って、ようやく番号が呼ばれカウンターに行く。
「はい、今日は何の手続きで?」
「引っ越してきたので、その届け出を」
わざわざ手書きで埋めてきた書類を観れば一目でわかるだろ、と喉の手前まで出かけたが何とかこらえた。
「はい、では転入届お預かりしますね」
受け取った書類をスキャナーらしき機械に通して、待つ、ガッチョン、ガッチョンと1ステップ毎によくわからない機械音がするスキャナーだな、そしてやけに処理に時間をかけている。
あんな手書きで書いたものを読ませて、何にあんなに処理ステップをかけているんだか、湿気で多少紙がふにゃったせいで機構に引っかかっているのだろうか。
なんで湿式の暖房なんて使ってるんだ……
ていうか、あんなスクロールをよくわからない機構でやるスキャナーをどうして使っているのか、センサの方を動かすやつとかあるだろ……!ていうか、手書きの書類って、最初からデータで入力させてくれ……
ていうか、
そんなことを考えながら処理を待っていたらようやく終わったようで、何に使うのかもわからないパスワードを設定しろと言う。これも手書きで。
仕方なく適当な数列を記述して、後からデバイスにでもメモしようと考えていると
「はい、パスワード455784ですね!承りました」
さすがに耳を疑った、唖然としている私をまったく気にしないかのようにパスワードを端末に打ち込んでいく。
他の職員も気にしていないようだし、読み上げるのが正常な業務なのだろう。
さすがに信じられないとしか言いようがない……
しかしせっかく役場に来たんだ、転出時の手続きも調べておくことにしよう。
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