第933話:コルグ・イイジマ~ゲート解析~

 「これが人が死んだってゲートか」

 事故があったという非公式ゲートを調査しに来たわけだが、まぁゲートって言うのはよく事故で人が死ぬものだ。

 公式のゲートはその辺きっちり審査と調査をして開発されたものだから、そうそう事故は起きないが、個人設置の非公式ゲートとなるとそうでもない。

 まぁ半数は事故る、いや、9割が半分の確率で事故る。

 実際のところゲートってやつは長距離移動にはめちゃくちゃ便利なものだが、かなりシビアな世界の仕組みをなんとかだまして実装されているもので別の世界での実装をそのまま持ってくると99%事故る。

「さて、これは……」

 センサーを放り込んで接続先を確認、1、2、3、反応が返ってきた。

 あんまり遠くないな、ちょっと飛んで確認できる距離。

 対のゲートは無くて、完全に一方通行形式らしいと聞いているから、今飛んで確認するものではないが。

 これからとりあえず強制撤去するかどうかを判断するために、各種試験をしていくわけだが、基本的には用意してきたものをゲートに放り込むだけでいいが、まぁ悲惨な結果になりかねないものを大量に用意してきているわけで、あんまり気乗りする仕事ではない。

 うっかり自分が事故って死ぬこともあるわけだしな。

 過去に聞いた話では、人が死んだゲートだって言われて調査に来たのに「じゃあ一回入ってみますね」とか言って入って死んだ奴がいたらしい。

 さすがにそれはそいつがバカだったで済む話だが、足を滑らせて転がり込んでも死ぬ可能性があるからな。

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