第874話:コウレン・アボウ~組織運営~

「組織の運営しんどい」

「何を言ってるんですか、あなたは」

「いやだってね? 僕にみんな集ってくれてるんだし、みんなのためにいろいろしたいじゃん?」

「はい、リーダーとして必要なことですよね」

「だよねぇ、だけどさぁ僕は特に何かできることが多いわけじゃないからさ、みんなに頼ることの方が多いのよ」

「そうですね、あなたは何もできないですし、うちのメンバーは凄腕ぞろいだし、あなたのやってることは承認と舵取りぐらいですね」

「承認も上がってきたのであからさまにおかしくなければオッケーって承認しちゃうからなぁ」

「事実上何もしてないですね」

「傷つくなぁ。事実だけどさぁ」

「しかし、あなたはあなたしかできないことをしているので、それはそれでいいんですよ」

「ほんとにぃ? 何もしてないよ?」

「そうですね、何もしてなくとも私たちを集めたのはあなたでしょう。私たちは人に頼られることはあっても頼ることはできないですし、その弱さがあなたの魅力です」

「弱いのが魅力ぅ?」

「そうですよ、私達力のある者は方向を見失いがちなのです。弱いあなたは進みたい先をいくらでも見つけてくれるので、私たちからしたらとてもありがたいんですよ」

「そういうもんかなぁ」

「そういうもんなのですよ、いつまでも弱くあってくださいね」

「納得いかないなぁ」

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