第851話:オイゾ・フエン~世界最高の町~

「ぴんぽんぱんぽーん、はろはろ~、大丈夫?マイク入ってる?権能浸透してる~? おけおけ? おっけー! この辺りはあたしの支配下になったから、あたしが世界を更新させてもらいまーす! ルールブック的には命の定義?とかいうのとかー、その辺に触れる強固な奴は触れないらしくて~、制限だらけの中あたしはすっごい頑張ったので~、あたしの世界を、楽しんで! 全員!」


 ある日突然、頭のよさそう悪そうな声が響いたと思ったら僕の住んでいた世界が最高最悪になった。

 この、頭のおかしくなりそうハッピーになるような現象が先日の声の後から始まった。

 口に出した言葉だけにとどまらず、頭の中まで書き換えられるから教育洗脳って感じだ。


「はろ~元気~?」

 今日の放送の時間だ。

 この町のカミサマは、こうやって一日に一度、町全体に聞こえる放送を行う。

 内容はたわいもない世間話だったり、自慢話だったりと、まるでラジオなのでみんなカミサマラジオと呼んでいる。

 これがけっこうおもしろい、素晴らしいことばかりするカミサマだが、このラジオに関してはその中でも最も素晴らしい。

 話しのセンスがぴか一で、聞いてる僕らの思考から返事を集めて流したりもする。

 その返事を集めるセンスが本当に良いので、毎日楽しみに聞いている。

「じゃあ、またね~!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る