第801話:オーハイ・インステリア~ダメUI~

「もぅ使い方わかんないよこれ!」

 もうどうにもならずに携帯端末デバイスを投げ捨てた。

「そんなに荒れてどうしたオーハイ」

「あ、ラグズイ。丁度いいところに! こないだ君に教えてもらったアプリ全然使い方わかんないんだけど!」

「ああ、あれね。確かに使い方が難しいって言われるけど、そんなにか?」

「全くわからないよこれ」

「何がわからないよ」

「1からわからないよ!」

「そうかそうか、教えてやるから携帯端末デバイス拾ってこい」

 しぶしぶ拾いに行く。

「まずロゴ画面でめっちゃかかったんだけど」

「でもここから先には進めたんだろ?」

「進めたけどさ、画面タップとかじゃなくて表示されてる渦巻きを逆巻きに回さないといけないってなにんなの? しかも書いてないし」

「あー、まぁそれはな、仕方ない、製作者の出身がそういう世界でな」

「で、問題はこの後! 選択肢が動き回ってるから狙ったやつが押せないんだけど!」

「それは遊び心って奴だな。動体視力を駆使してな、頑張ってくれ」

「まぁこれは慣れれば確かに何とかなるけど、いやならないけどまぁよしとする、良しとするべきではないけど良しとする」

「ああ、全然良くないらしいがまぁ続けよう」

「で、これ選んだあとに表示されるメニューは整然と並んでるのなんなの?」

「それはいいだろ」

「統一感! 並んでるのはいいけどここまでやるなら最初から最後までダメUIを貫いてほしい」

 まともな箇所が一か所でもあると他もなんでこうしなかった! って気持ちになるでしょ。

「まぁ、まともなのはここだけだったと思うぞ」

「それはそれでだめ過ぎる……、あとところどころ言語がおかしくて使いたい機能にたどり着けないんだけど」

「それも……、場所を覚えてくれ」

「項目が動き回るんだってば!」

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