第799話:フーリエン・ラバクラ~野生のハンバーガー~

「今日は何を作るので?」

「今日はハンバーグを作る」

「ハンバーグ! ではひき肉を買いに行きましょうか」

「買いに? 何を言っている、狩りに行くんだ」

「は?」


「さーて、目指せ大猟!」

「ハンバーグの材料を狩りに来たってことは、牛ですか?」

「いや、ハンバーガーを狩りに来た」

「ハンバーガーを……? 狩る?」

「うむ、ハンバーガーの肉で作ったハンバーグは美味いからな」

「ハンバーガーって、僕が知らないだけでそういう動物がいるんですか? それともあの、パンズでパテや野菜を挟んだハンバーガーですか?」

「両方正しい、お前が良く知っている奴が野生化しているんだ」

「野生のハンバーガー???」

「まぁ今すぐにわからなくてもいい、とりあえず見かけたら捕まえてくれ。ほれ網」

「網でハンバーガーを……」

「とりあえずパテの部分さえ無事ならいいから、多少手荒に捕まえても構わん」

「網でハンバーガーを……」

「俺はこっち、お前はあっちな」


「ハンバーガー、凶暴なんですけど」

「捕まえたらレタスを引き抜けばそれでおとなしくなるから、そんであっちの籠に肉を放り込んでおいてくれ」

「レタスを抜くとおとなしく」

「どうやらハンバーガーの核はレタスらしい」

「パテじゃなくて???」

「レタスだ」

「レタス……」


「うむ、大猟だったな」

「意味が分からなかったけど、これうまいですね」

「うむ、獲りたてのハンバーガーの肉で作ったハンバーグだからな」

「これは獲ったハンバーガーをそのまま食べてもおいしいのでは?」

「うーん、確かにうまいのだが、凶暴なこともあって踊り食いはお勧めできないな」

「あー、凶暴でしたもんねハンバーガー」

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