第789話:シガハット=グリック~通信方式~
「既存の通信方式遅すぎでは?」
ふと思い立ち、呟いた。
「何をいっているのかわからないという顔をしているね」
「そりゃあ、そうでしょう。この世界の通信が遅いとなったらどんな通信方式なら速いって言えるんですか」
確かに、この世界の通信は0の後に0が千個並ぶぐらいの時間もかかりはしないし、送信ボタンを押しきるのが早いかデータが送信完了するのが早いかという、そんなレベルの速さだ。
「いやまぁ、これ以上に速い通信はそうそうないとは思うけどさ、やっぱり遅いと思うんだよね」
「じゃあどんな通信なら満足なんですか」
「ボタンを押す前……、送信したいと考える要素が揃った時点で送信が完了してるようなのがいいな」
「それは通信方式の問題じゃないでしょ」
「それはそうなんだけども、もっと何かあるだろう」
「無いですよ……って、あれ? シガハさんの言ってたのこれじゃないですか?」
「ん、どれどれ?」
なんだかんだ言って話ながら調べてくれてるんじゃないか。
「こりゃあ、テレパシーとかそういうやつだな」
「こういうのもありますよ」
「インプラントか……、考えたこともあるんだがこれだとどうにもボタンの方が速いんだよな、別にデータが頭の中にあるのなら話は別だけどね」
「データもこれで頭のなかに入れておけばいんじゃないですか?」
「通信チップをインプラントするのはいいけど、さすがにデータストレージをインプラントするのはなぁ……」
「そのこだわりはわからないですね」
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