第679話:ハーラナ-ヤーナⅡ~アタッチメントアーム~
「新しい腕が欲しいのだが」
「またかジィサン。先週も一本作ったばっかりだろ」
このジィサン、左腕が義肢で頻繁に付け替えに来る。
既に8本目だったか。ていうか、今着けてるのも
「いやぁ、腕は何本あってもいいものだしなぁ」
「腕は2本で十分だわ」
多くても4本でいい。
「ていうか、同時に何本も使うことないのになんでそんなに腕を作りに来るんだ。壊してんのか?」
「誰が壊しとるか。単純な話、集めるのが趣味なんよ」
「腕をか?」
「腕をだな。あんたさんの作る腕は面白い、集めるに値するというものさ」
「面白いのは俺じゃなくてあんたの注文だよ……」
どこで使うんだ?って思うようなギミックを搭載した妙に凝った腕を注文してくるんだよなこのジィサンは。
「そんで、今回はどんな腕が欲しいんだ?」
「うむ、そうさな……」
注文内容をペラペラと10項目ぐらい連続で伝えられる。
「ドラゴンでも狩りに行くのか?」
聞いた注文内容をまとめると、火砲やらの類の武装等が過積載と言えるレベルで詰め込まれており、戦力としては申し分ないどころの話ではない。
「使うこともあるかもしれんからの」
「普通はねーよ」
「ないだろうが、所有しているというのがいいだろう?」
「そういうもんかね」
「わからんかなぁ、こんなロマンが」
「俺はロマンチストじゃなくて技術者なんでね、できることをできることとしてやる以上のことは考えないようにしてるんだよ」
「そうかい」
「ほれ、注文の品だ」
数日が経って、完成品を取りに来てもらった。
かなりの危険物なので手渡しだ。
逸ってるのか、左腕にはなにもつけていない。
「ふむふむ、いい感じだな。試し撃ちしてもいいか?」
「ダメに決まってるだろ」
工房でそんなものぶっ放させるわけにはいかんぞ……
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