第649話:ライラゥ・ライウ~ウニ~

 ウニが売っている。

 食品とか、ペットとか、そういう物じゃなくて、危険物として売っている。

 確かにトゲトゲしているが、危険物として売っているのか……。

 もしくはこれ、ウニという名前でウニっぽい見た目でなんかあれなのかな。

 ウニじゃなくて危険物なウニというと爆発するウニかな?

 いや、きっとこれはトゲトゲなだけで危険物認定されている普通のウニだ。

 見た目は完全にウニだし、俺はウニが食べたい、だから買う。

 たぶん爆発はしないと思うし。


 いくつかウニを買ってきた。

 とりあえず爆発はしないらしく、袋詰めする過程で何度か棘が刺さった。

 確かに食べられることも生き物であることも知らなければこれは天然の武器として敵に投げつけるかもしれない。

 そういう時代もあったような気がする。

 そんなことはどうでもいい。

 久しぶりにウニが食べられるということが重要なんだ。


 ウニを刃物で割って内臓を取り出して、棘は綺麗にとって別で置いておく。

 ウニの棘は結構使い道が……と思ったんだけどこの世界ではわざわざウニの棘を使う必要はないから、やっぱり捨てる。

 確か抜いた内臓を適当に炒めたものが美味い、知っているウニと同じ味なら大体そうだ。

 少し色味が違うような気もするが、種類が少し違うのだろうか。




 ウニは美味かった、確かに知っているウニの味だったのだが……

 なんか、料理してる間にゴミ箱が壊れていた。

 どういう訳か、棘が爆発してる。

 異世界のウニで品種が違って味が全然違うとかよりはいいんだけど、棘が爆発するとか、思ってなかったかな。

 そこで気付いて、慌ててさっき刺さった棘を指から抜いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る