第588話:カティス=メンディスⅣ~死のタイミング~
「なぁ死んだときのことって覚えてるか?」
なんとなく、暇だったので他の暇そうにしている俺らに向けて質問を放ってみる。
「あー?死んだときのこと」
「忘れたなぁ、そのあとすぐに変な説明受けた気がすることは覚えてるんだけど」
「ああ、あったあった。あの映像担当したの誰だ?」
「一桁台の奴だろ、若かったしさ」
「ばーか、この世界に来たばかりの頃はどの時の俺でもあんな感じだったろ」
「あれ、そうか」
思いのほかたくさんの俺が話に乗ってきた。10人ぐらい。
「いやまぁあれだ、なんとなくどんな状態になったら死んだってなってこっちに来るんだろうな?って思ってさ」
「あー、確かに」「どうなったらだろうな?」「頭がつぶれたらか?」「いや俺確か串刺しだったから頭は無傷だったはずだぜ?」「俺も落下死だ、腰から下がつぶれたって後の俺に聞いた。頭は無傷なはずだ」「俺、頭つぶれて死んだような気がする」「頭の無事は死に関係ないって話だからつぶれた例はいらんぞ」「え、そうなの?」
「さすが俺か、全然話がまとまらん」
わかってはいたが馬鹿ばかりだ、俺も馬鹿だからわかる。
「一旦ストップ、話まとめるぞ」
さすがに誰かが仕切らないと収拾がつかない、話出した俺がとりあえず仕切らないと。
「別に死ぬ条件が頭がどうとかじゃなくてな?そもそもどういう状態で死んだって判定されるかなんだが」
「あーそれ確か考えたことあったよね」
「え、いつ?」
「前の世界での時なんだけどさ、なんだっけ?誰か覚えてる俺おらん?」
「あ、知ってる知ってる、なんだっけ生き返るのってどういうタイミングなんだ?って考えて死んだときか!って気付いた時だよそれ」
「あー、なんかあった気がする」
「えー、全然俺それ知らんのだけど」
「そりゃあお前が死んだ後の話だからじゃね?」
「そうか、お前頭いいな」
だめだな、全然話がまともに軌道に乗らない。
やっぱり俺は人の話とか聞けないし会議には向かないなー。
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