第572話:サッボルード=マオンス~鑑賞用オーブ~

 ピシッと嫌な音が聞こえた。

 音の出所を探ると、暗めの水色オーブにひびが入っていた。

 割れたところから赤黒く変色もしている。

「あぁー、ついに割れたかぁ」

 つい声に出る。

 このオーブを買ったのはもう6年も前のことだし、今までもった方が不思議なぐらいだろう。

 オーブの平均寿命は3年ぐらいだしな、知らんけど。


「さて、新しいオーブを買いにでも行くか」

 部屋にオーブが無いとやっぱり良くないしな、早急に新しいオーブを手配しなければ。

 特に何か大仰な理由があるわけでもないけど、普段あるものが欠けているとなんとなく落ち着かないだろう。

 一応結界の役割もあるけど大して重要じゃない。


 早速オーブショップへやってきた。

 受付で汎用パスを受け取って売り場へ入る。

 うーん、このカラフルな暗色系の混ざり合った雰囲気が最高だ。


 さて、どのオーブを買っていこうか。

 台座をそのまま流用したいから、大きさは7号。

 範囲は固定でもいいし、色はまぁ前と同じ……じゃなくてもいいか。

 せっかくだし、色を変えて部屋の雰囲気を変えてもいい。


 結局、7号で紫まだらの赤いオーブを買った。

 店員さんに前のオーブが割れちゃって~と話したところ、おすすめされたのがこのオーブだ、少し値段は高かったが、別に気にするほどでもなかったのでそのまま購入。

 汎用パスを専用パスと交換してもらって部屋の大きさに合わせて設定してもらって帰った。


 早速かえって部屋に飾る。

 うん、この色もいい感じだ。

 今までの沈んだ感じと違って好きな夜の色に近いのもいい。

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