第508話:ターマ・ラガーム〜旧城の跡〜

 積まれた石を見て考える。

 ここはかつて城があったのではないかと。

 僕の知ってる知識ではそう、城の基部にはこういう石を積んで作られてるというだ。

 特に専門的な知識でもないし間違っているかもしれないが、たぶんここにはかつて城があったのだろう。


 僕はそういう、無知なりに推理して想像するということがとても、とても好きなのだ。



 広野で車のわだちを見かければ、どちらから来た車かどちらへ行くのか、何を運んでいたのかに想像を巡らせ、不自然に崩れた廃墟はなんの建物だったのか、なぜ崩れているのか、どうやって崩されたのか、そういうことを考えるのが好きだ。

 気になるわけじゃないから正解を提示される必要はないのだが、考えたくなる。


 積まれている石の数から、きっとこの城は小さな城だったに違いない、違っていてもいいのだけど違わないと断言した方が良いので、違いないと言っておこう。ら

 おそらく、住んでいた人の数は50人ぐらい。

 多いのか少ないのか知らないけど、たぶんそんなもんだ。

 この辺りに玄関ホール、大階段があっただろう、イメージでは壮大、想像してみたら石の積んでる範囲からはみ出てしまった。

 うーん、イメージのやり直しだ。

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