第494話:ラクスノア-ホッグ~明り取りの窓~
太陽の火が消えてから3日が経った。
日付の基準になる太陽が消えっぱなしなので時計で測った日数だが、今は三日目の朝だ。
普段は照明なんて点けず窓を開けて夜になったら寝る生活をしていたのだが、今ではずっと暗くて仕方なく照明を導入している。
慣れない人工光は眼に痛い、照明選びを間違えたかもしれない。
お金に困っているわけじゃないし新しい照明を買いに行った方がいいだろうか、できれば今までと同じ感覚で生活できる方がいいんだけど。
「いらっしゃいませー」
照明器具を取り扱っている店へ来た。
一昨日も来たが、相変わらず滅茶苦茶な混み方をしている。
普段は一回も来たことがないから知らないが、たぶん太陽が消えたことで唐突に照明需要が高まったのだろう。
もともと、趣味の店のようなものだったのに、突然こうも忙しくなってしまって大変だろう。私の知ったことではないが。
それにしても明るすぎて目が痛い、新しい照明を求めて来たのは失敗だったか?
でもせっかくここまで来たのだし、入口で配られていたサングラスを着けて店へと入る。
だいぶ眩しさは軽減され、店内を快適とまでは言えないが不快感は無いレベルで散策できるようになった。
人混みは不快だが。
いくつかの階段を降りて店の奥の奥まで来たら人も少なくなって快適、だが今度は逆に暗くなってきたな。
ここまでくると展示の照明も減り、サングラスがなくても大丈夫なようだ。
外してみるとちょうどいい明るさになった。
はて、どんな照明器具がここに置いてあるんだろうか?この丁度良く目にいたくない光が空間に満ちていてそれを買っていきたいのだが。
辺りを見回すと、天井に窓があった。
もしかしてあの窓から入ってきている光か……?
というより、いつの間にか太陽に火が戻っていたのか。
これじゃあ新しい照明はいらないな、と帰ることにして店を出ると相変わらずの暗さ。
はて?と思ったが少し考えて気がついて、また店の中へ戻った。
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