第402話:リック‐ソーニア~止まった時計~
「ふぅ……」
一息つきながら壁にかかった時計を見る。
時間は6時だ。
はて、いつのまに10時間も経ったのか?とも思わなくもなかったが、壁の時計はもうずっと止まっていることを思い出す。
ディスプレイの右下に表示されている時計を確認して現在がまだ夜9時であることを確認した。
特に理由があるわけでもないが、壁の時計はずっと止まったままだ。
いつから止まっているのかも定かではないが、だいたい6時を示して止まっている。
6時を指しているのだから6時に止まったのだろうけど、何日前の6時なのかは定かではない。
少なくとも前の冬季には既に止まっていたはずだ。
止まった理由は電池切れだとかその程度のことだと思うが、確かめていないのでわからない。
まぁ、暫くは確かめる気もない。
特にあの時計が止まっていて困ることはない、先程も確認したPCのディスプレイの時計もあるし、
それに、家にいるときはしていないが、腕時計もある。
あの壁時計は、ある意味必要のないものだ。
必要ないから、止まったままにしてあるのか、それとも自分では考えていない、気づいていないだけで、あの止まった時計に何か意味を持たせているのか。
そんなことを考えていて、なんとなくあの止まった時計はインテリアとしてお洒落なのではないか、という結論が出た。
「ふぅ……」
息を吐いて、もう一度時計に目をやって作業を再開した。
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