第313話:皇勇人~死語の異世界~

「えーそれチョベリぐー」

 幽都に来て散歩していたら、なんか聞き覚えがあるけど聞き馴染みがない単語が聞こえてきた。

 ちょべりぐ……ちょべりぐ?

 なんだったか、たしか昔流行った言葉、昔の流行語だったか。

 そう、死語っていうやつだ。


 よくよく回りの話に耳を向けてみるとそんな死語が飛び交っている。

 ちょべりぐ、ちょべりば、合点承知の助、いただきマンモス、おいくら万円、モチのロン、etc...

 漫画やアニメ、コントではみたことがあるけど実際に使っているのはみたことがない言葉がけっこうそこらで使われている。

 もしかして死んだ言葉がこの世界に転生してきているのか?

 言葉も転生するのか、そう考えるとなかなか面白い。

 他にも死ぬと表現されるものならなんでも転生してくるんじゃないだろうか。


 しまった、一度になると周りの言葉が気になってくる。

 昭和のドラマの世界に迷い混んだみたいだ。

 そして気になってしまうと、町並みもそれっぽい。

 ディスコでオールでナイトフィーバー!

 ディスコとかクラブってなんだ。

 そんなもん昔の漫画でしかみたことないぞ。

 言葉だけじゃなくて文化も転生してきているのか?

 というか言葉や文化が転生してくってなんだ?

 少し考える。


 考えた結果、当時を生きていた人たちが転生して今この世界で若者をやっているという結論が出た。

 そうだよなぁ、俺が高校生の時に死んだだけで普通は年食ってから死ぬもんだもんな。

 そりゃあ、そうなるよな。

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