第299話:ミヤ~片付かない部屋~
何故こうも物が多いのだろうか。
私はあまり買い物をするタイプではないし捨てるものは捨てるので、物が増え続けるということはないはず、なのだけど……。
部屋の状況を見て考える。
何故こうも物が片付かないのか。
とりあえず、一つ一つどういう経緯でこの部屋に存在するものなのかを考えてみることにしよう。
まずはこれ、床に広がった布団。
まぁ、布団だ。
たしかこの布団は最初からこの部屋に備え付けられていた布団だ。
結構面積をとるが布団は捨てられないので仕方ない。
もっと狭い面積でも使える横重力ベッドという壁にくっつけて寝るタイプのものなら床を占有しないのではないかとも思うが、結構な値段がする。
想像だが使い勝手も良さそうなものではない、寝返りうったときにそのベッドから落ちて、重力の向きが変わって壁からさらに床に落ちそうな気もする。
というわけで布団はこのまま、部屋の中の結構な面積を占有しているが仕方ないということにする。
次、残りの床面積を占有している机。
あまり机自体は使ってはいないが、机の上を埋めているものが捨てられない。
むしろそういう意味では机は使っている。超使っている。
これでは机は捨てられない。
そしてその肝心の机の上に乗っているものだが、友人達からもらったプレゼントの類いだ。
置物や造花、写真やらなんやらと種類は多岐に渡るし置いてあるだけだが、プレゼントは捨てられない。捨てるようなものではない。
そろそろ棚も増設しなければならないぐらい増えてきたが、棚を置くスペースもとれない。
そもそもそのために片付けようと思ったのだけど、思いの外片付けられるものがない。
他の棚の中を片付けてスペースを空けようとも考えたが、全然ダメだった。
すべて必要なものだ。
そういえば当然だ、必要なものだから残っていて、必要だから捨てられない。
捨てられるものは残っていないのだ。
仕方ない、これでは部屋が片付かないのも仕方ない。
仕方ないから部屋を広くすることにしよう。
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