第259話:ペク〜悪戯の理由〜

 大分集まってきた。

 ちょくちょく町で暇そうな人を捕まえては魅力的な提案をして、探索を手伝ってもらって集めに集めた宝珠が259個。

 後少しで必要な数集まる。

 さて、今日も探してもらいに行こう。


「そこいく人よ、生き返りたくはないか?」

「はぁ」

 この提案は良い。

 大抵の人が最初は意味わからんねという顔をするが最後には手伝ってくれるのだ。

 実は成功したことはないが生き返ることは本当に可能なはずなのだ。

 探してもらっている宝珠は所謂願いを叶える類いのアイテムで、その叶えられる願いには当然生き返るというのもあるはずだ。

 だけど、宝珠で叶えられる願いはランダム。

 願ったことと宝珠に設定されている願いが一致していなければならない。

 つまりは生き返れる宝珠と生き返る願いが揃ってはじめて生き返れるシステムなのだ。

 一個の宝珠があれば何回でも願いを叶え続けることができるが、今のところまだひとつも生き返れる宝珠は出てきてない。

 出てこれば探してくれた人をもれなく生き返らせることもできるのに。


 私が宝珠を集めているのにもしっかりとした理由がある。

 元々宝珠を作ったのは私なのだ。

 私の持っていた力を300個ぐらいに分けて作ったのが宝珠というわけ。

 私はそれらを民に与えたりと、有用に使って世界を統治していた。

 死後、それらはなぜか私と一緒にこの世界に来てしまったようで、しかも色々な場所に散らばってしまっていた。

 宝珠の中にある1つが今どうしても必要で探しているというわけ。

 全然その1つが見つからないまま300個になってしまいそうなんだけど、全部集まったらそれはそれでいいか。

 できるだけ早めに生き返ることができる宝珠も見つけておきたいんだけどなぁ。

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