第231話:ユーン×ユーニン〜嘘に嘘を重ねて嘘800〜

 転生した時に嘘の名前を言ってしまった。

 ユーン虚偽×ユーニン虚構等と何故そんな名前を付けたかといえばネットで使っていた名前なのだが、最初に決めたときはカッコいいと思ってつけたのだ。

 そのままズルズルと使い続け、いつの間にやらこっちの名前で私を呼ぶ人の方が増えて本当の名前の方が嘘の名前のような気がして、死んだ後に尋ねられた時にユーン×ユーニンなんていう嘘に嘘を重ねるような名前を答えてしまったんだ。

 これから公式の場ではこのユーン×ユーニンという名を名乗らねばならないし、同郷の奴等には「嘘に嘘?」とか言われるに違いない。

 どうしたものかなぁ。


 プラン1

 元の名前をこの世界でのハンドルネームとして使って再び名前の逆転を目指す。


 プラン2

 公式の場でも気にせず元の名前を名乗る


 プラン3

 むしろ元の名前を完全に捨て、この世界ではユーン×ユーニンとして生きていく。


 プラン1は元の世界で名前の逆転が起きるまでにかなり時間がかかったことを考えると現実的じゃないし、そもそも公式の場で逆転した本名を名乗るのもおかしくなる。

 プラン2は……、そこまでできるほどの豪胆さが私にはない。

 プラン3が一番いい気がするが、恥ずかしい。


 どうするか。

 あ、そうだ。


 プラン4

 ターミナルで改名できるかどうか聞く。


「改名したい? 何故ですか?」

「最初に申請したときに間違えて伝えてしまって……」

 嘘ではない、名前は嘘だったが。

「はい、別に問題ないですよ。どう変えます?」

「いいんですか?」

「なにも問題はありませんが。そもそも名前など個を識別するための記号ですが、この世界で個を識別するコードは別に存在するので。まぁ、知人には自分で改名したことを伝える必要はありますが」

 なんだ、そんな簡単な話だったのか。

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